悲しき統合水槽


孤軍奮闘の末





 過去の事を言っても仕方がありませんが、 玄関先の水桶は7つありました。

およそ15年前のある日思い立った、子供たちへの『生き物尊重論』普及作戦は、女房殿が毛の生えたペットがだめなので、 ガラス越しに噛み付かない生き物の飼育にて決行されました。

最初は分からない事だらけ。何匹もの来訪者が庭の土になりました。その内、水質等の環境設定にも慣れ、魚の種類ごと の水槽作りをし、玄関に7つの海ならぬ7つの池が出現しました。エサやり、水替え、苔とり、浄化装置のメンテナンス等、 忙しいけれど、魚のかわいらしさで仕事の疲れも忘れることができたのです。

 その後仕事の責任も増し、出張残業が多く世話が女房殿の大きな負担になりました。その上、冬場の光熱費はうなぎ上り、 ついては悲しいさだめとなりました。物置の幾つかの水槽はその時の栄華を物語っています。でも、もし老後の楽しみは?、 と聞かれたら「魚」と答えることでしょう。