【世界陸上もまじえて】

 セビリア世界陸上も無事終了しましたが、残念ながら日本が期待したマラソンも金メダルの獲得はなりませんでした。 特に男子マラソンは暑い最中の時間帯だっただけに、市中の温度計(市内には時計と温度が交互に表示されるものが設置 されています)は選手に微妙な影響を与えるとのことで温度表示は市当局が禁止したと聞いています。日本と気候の違う 場所での競技は、やはり不利な面があるのでしょう。
 私も機会ありまして開会式を見に行くことが出来ました。私は翌日の21日にセビリアで仕事がありましたので、 1日前にセビリアに入りホテルの手続きを済ませてからオリンピックスタジアムに直行。入場券は、1000, 2000,4000,6000,10000ペセタの種類がありましたが、入場券売り場には1000,2000は 売り切れと書いてありました。念のために窓口であまっている入場券を尋ねると、1000ペセタの入場券のみ売り 切れでした。そこで、私は高くもなく安くもない中間の4000ペセタの入場券を購入。開会式の入りはあまりよく なく、私の判断では6割の席しか埋まっておらず、特に高い席ががらがらでした。これで利益が出たのでしょうか。

 今回もセビリアの話題が出ましたので、このままセビリア関連の話を続けます。
今年、1999年はスペイン3大画家グレコ・ベラスケス・ゴヤのうちセビリア生まれのベラスケスが誕生してから 500年にあたります。その頃のセビリアは、スペイン全体は斜陽の時代ですが、新大陸発見後、新大陸交易の独占で 栄華を極めた時代で、ヨーロッパ各地から商人が集まりスペイン随一の都市に姿を変えます。今回は特別展示会は 企画されておりませんが、マドリッドのプラド美術館の内装も模様替えされ、展示の仕方も年代を追って見やすいように 配置替えが行われました。

 ベラスケスは、スペインを代表する画家であることは言うまでもありませんが、世界を代表する偉大なる画家です。 「画家の中の画家」と呼ばれるほど回りの画家からも尊敬された人物です。彼は、11歳の時エレーラ工房で本格的に 絵の勉強を始めましたが、ここの性格にとけこむことが出来ず、12歳からは彼の師となるフランシスコパチェーコの アトリエに入り6年間の修行をした後、18歳で一人前の画家となります。また、才能も早くから認められ24歳という 若さで宮廷の画家に徴用され、異例な出世を成し遂げます。普通、宮廷画家になる年齢は40歳前後です。また、 28歳の時には王の私室取り次ぎ係にも任命され宮廷の役人としても徴用されることとなります。ベラスケスの生涯は 大きな変化のない人生を歩みますが、その中でも目立つ出来事は1628年にルーベンスに出会ったことと、 1629−1631年と1649−1651年に2度のイタリア留学をしたことがあげられるくらいです。

 ベラスケスの代表作に「女官たち」とい大作がありますがありますが、この絵を来月のテーマと致します。








 

“女官達”ベラスケス作     


 【女官達】

 現在のスペイン王家は、国民の信頼は大きく、イギリス皇室と比較すると質素です。王家の構成は、フアンカルロス国王・ ソフィア王妃・フェリッペ皇太子と二人の王女で5人家族です。王女二人は、すでに嫁ぎ、次女のクリスティーナ王女にも この夏子供が誕生しました。残すところは、皇太子の結婚のみとなりましたが、未だその気配を一行に感じさせません。

 ところで、画家ベラスケスの話をしましたが、ベラスケスが画いた「女官達(ラスメニーナス)」という世界三大絵画の 一つ、傑作がマドリッドのプラド美術館に所蔵されています。またの名を「フェリッペ四世一家」と名づけられ、後にゴヤも この絵を意識しながら「カルロス四世一家」という絵を残すことになります。この傑作は、マルガリータ王女を中心に置き、 王家・宮廷の中で仕事をする人達に取り囲まれた絵で、この絵の中で空気遠近法や黄金分割など絵のあらゆる技巧を駆使して 画かれた傑作を言われています。この絵を見たルーカスジョルダンやモネなどの口からも感嘆符がこぼれおちました。

 絵の中の人物紹介ですが、真ん中で開いたドレスを着た女の子がマルガリータ王女、その両サイドに女官二人、左側がマリア アウグスティーナ・左側にイサベル デべラスコが並びます。王様・王妃は、マルガリータ王女の左後ろにある鏡に映って います。見ておわかりのように、この絵の中に画家自身が登場し、画布の前に立ち筆とパレットを持ちながら絵を画いて いるのがべラスケスです。

 この絵はプラド美術館から貸し出さないといわれている絵ですので、日本でお目にかかることは不可能です。いつの日にか プラド美術館を訪れた際、じっくりご覧になってください。

 また、プラド美術館にはゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」やボッシュの「快楽の園」など世界的に有名なものも数あります。 プラド美術館の一時でもスペインを堪能できるでしょう。








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